リフォーム不可

母が亡くなった後は悲しむ暇もないほど色々な手続きに追われる日々がやって来た。

 

葬儀に関してはあらかじめ葬儀会社を決めておいてパンフレットなどをもらっていたので、すぐに電話連絡が出来た。

身内の死を待っているようで抵抗がある方もいるかもしれないが、いざというときに慌てないために必要な事だと思う。

私は母が90歳になった時に準備をしようと思い葬儀会社を探し始めた。

 

母が亡くなる前後と葬儀の事はまた別の機会に書こうと思う。

 

一通りの手続きが一段絡した後実家問題に再び取り掛かった。

まずは不動産会社に電話をかけてみた。

まずはTVのCMで良く見かける大手の会社に実家の現状を相談してみた。

息子がリフォームして住む事を希望していると話すと思いがけない返事が帰って来た。

 

昭和56年以前に建築された家は耐震基準を満たしていない可能性が高いので、リフォームではなく解体する事を勧められたのだ。

 

息子とAちゃんがせっかく一生懸命片付けてくれたのに。

残念!

 

続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aちゃんパートに出る

四月、長い冬が過ぎ雪が溶けふたたび実家の片付けが始まった。

はずだった。

だが頼みの綱のAちゃんがパートを始めてしまった。

 

働き者のAちゃんは少しでも時間が出来たら働きたいと望んでいたのだ。

下の子が幼稚園の年少さんになったので、ようやく願い通り働くことになった。

もちろん私も応援した。

 

そんな訳で以前よりペースは遅くなったが、実家の片付けは少しずつ進んでいった。

全ての部屋の床が見えるところまでは辿り着いたのだが、押し入れ、ロッカー、納戸、外物置、片付ける場所はまだまだあった。

 

庭の手入れも怠るとどんどん植物は成長して、塀からはみ出してしまうので、枝切りバサミを手にがんばった。

 

 

8月になり母が亡くなった。

 

 

肺の病気が少しずつ進んでいたとはいえ、まだまだ長生き出来そうだと思っていたのだが、あっけなく天国へ旅立ってしまった。

 

続きます。

 

 

 

 

水道管破裂事件 その後

しばらく間が空いてしまいました。

またぼちぼち綴っていこうと思います。

 

 

電話してから1時間ほどで水道局から派遣された業者が来てくれた。

60代位と20代位の男性2人組だ。

外の止水栓は雪の下。

まず1メートルの雪を掘って見つける事から。

 

2人は持参したスコップでどんどん雪を掻き出し止水栓を探し始める。

60代のベテランさんがあたりをつけた場所に止水栓の蓋が現れた!

蓋を開けて栓を閉じる。

作業には無駄が無くあっという間に終わり、吹き出していた水が止まった。

良かった〜。

 

作業代を支払おうと

「おいくらですか?」

と訊ねると、有難い事に無料だと言う。

 

こうして水道管破裂事件は無事解決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水道管破裂

Aちゃんの活躍で各部屋の床が見えてきた。

 

2階の増築した部屋は思っていたよりも綺麗で畳も状態が良い事が分かった。

 

12月に入り2階には暖房設備が無いので一旦片付けは休止になった。

水道が凍結しないように止水栓を閉めたのだが、どうしてもお風呂場の止水栓だけが見つからなかった。

でもまあまだ大丈夫だろうと軽く考えて実家を後にした。

これがいけなかった。

 

マイナス2〜3℃くらいまでは凍結しないはずなので、それ以下に気温が下がるようだったら実家に出向こうと考えていたら、1月半ばコロナに罹ってしまったのだ。

 

熱が下がった後もダルさが残り実家の事が気に掛かりながらも行けない日が続いた。

 

2月、気温がマイナス2桁に近くなってしまい、TVの天気予報ではついに凍結注意が出てしまっていた。

重い腰を上げて息子の運転で実家に行く事にした。

 

実家に入り恐る恐る洗面所の引き戸を開くとお風呂につながる管から水がピューピューと吹き出ていた!

お風呂場の浴槽には氷の塊があり、蛇口からチョロチョロと水が流れている。

 

なんとか止めようと止水栓を探すのだがなかなか見つからない。

ようやく探し当て閉じようとしたら台所で音がした。

行ってみると台所の管から水が噴き出していた。

なんとお風呂の止水栓と台所の温水の止水栓が繋がっていたのだ。

 

居間の暖房を付けたことにより凍っていた水道管が温まってしまったからなのだろうか。

 

とんでもない勢いで水が噴き出してくる。

 

止水栓を止めても水は止まらない。

 

慌てて2階へ行きバスタオルやタオルケットをありったけ持って来て床に敷き詰める。

 

スマホで検索して水道業者を探して電話をかけると「今日は水道凍結が相次いでいてすぐには来られない」と言われた。

その日は日曜日、業者が来られるのは水曜日だと言う。

3日もこんな状態では大変だ!

 

ダメ元で市の水道局を調べてみると緊急連絡先の電話番号が載っているではないか。

電話をかけて様子を伝えるとすぐに対応してもらえた。

1時間半位後に業者が来て外にある元栓を止めてくれると言う。

でもその代わり一旦止めてしまうと2度と家の中で水を使えなくなりますよと言われた。

 

止めてくれるのであればもうどうなっても良い。

お願いして電話を切り業者を待った。

 

 

続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aちゃんの才能

Aちゃんは将来住むなら一軒家と決めていたそうで、実家をリフォームして住む事をとても喜んでいた。

 

片付け始めたらAちゃんはその才能を開花させた。

まずは大量に残された母の衣類から。

Aちゃんはとにかく速い。躊躇なくどんどんゴミ袋に詰めていく。

私や長男と違って実家にある物に「思い入れ」がないのが良いのだと思う。

 

みるみるうちにゴミ袋の山が出来た。

 

新品の日用品もたくさん出て来た。

フライパンや鍋、包丁などの使えそうな物は持ち帰り、食器類はリサイクルショップに持って行く。

売値は微々たるものだが、捨てるよりはましだ。

 

亡き父の職業柄家には本もたくさんあったのだが、Aちゃんはダンボールに詰めてどんどん運んでくれた。

 

完全に廃棄する物は透明の袋に入れ、布団などの大きな物はそのまま車で20分程の場所にある市のゴミ処理場に運ぶと10キロ200円で処分してもらえる。

 

長男と2人で車に乗せてせっせと運んだ。

 

私は孫たちを連れ出して公園に行ったり、押し入れから出て来た古いおもちゃで遊んだりして過ごす。

 

古い冷蔵庫に入っていた真っ黒な瓶詰めもどんどん開けて中身を出し、分別も完璧だ。

 

みるみるうちに各部屋の見えなかった床が見えて来た。

 

続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aちゃん

大型冷蔵庫を片付けた後何度か実家に通って片付けをしていたのだが、夏になり気温が上がってからは実家への足が遠のいてしまった。

実家にはエアコンが無いのだ。

 

本格的に実家の片付けが始まったのは10月に入ってからだった。

 

話し合いの結果、長男が実家をリフォームして住む事にしてくれたのだ。

 

長男夫婦には当時5歳と3歳の孫がいたので、週末に通って片付ける事になった。

嫁がなんと「お母さん、私この家を片付けられる気がする」と言うのだ。

なんと頼もしい事。

 

私は一緒に行って孫の面倒を見る事になった。

 

嫁という表現がどうにも苦手なので、ここから彼女の事をAちゃんと書かせていただく事にする。

 

Aちゃんは当時27歳。

若くて元気いっぱい、明るい性格で私との仲は良好である。

 

ゴミ袋を大量に用意して本格的な片付けがいよいよスタートしたのだった。

 

続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開いた!

5月某日、便利屋さんと約束した日が来た。

 

早めに実家へ行き窓を開け待っていると便利屋さんは軽トラでやって来た。

大きな冷蔵庫を運ぶので二人で来るとは聞いていたのだが、そのもう一人は女性だった。

 

開かない冷凍庫の扉にドライバーを捩じ込んで格闘すること数分で扉は開いた!

 

中にはびっしり物が詰まっていた。

悪臭が流れた。

 

二人は厚手のビニール袋を二重にしてどんどん中身を詰めていく。

あっという間に作業は終了。

二人で冷蔵庫を運び出して軽トラに乗せる。

 

作業は約40分で完了した。

 

作業代は1万8千円。

 

ずっと頭のスミで気になっていた事が解決した喜びで清々しい気持ちになった。

 

この日から本格的に実家の片付けがスタートした!

 

続きます。