Aちゃんの才能

Aちゃんは将来住むなら一軒家と決めていたそうで、実家をリフォームして住む事をとても喜んでいた。

 

片付け始めたらAちゃんはその才能を開花させた。

まずは大量に残された母の衣類から。

Aちゃんはとにかく速い。躊躇なくどんどんゴミ袋に詰めていく。

私や長男と違って実家にある物に「思い入れ」がないのが良いのだと思う。

 

みるみるうちにゴミ袋の山が出来た。

 

新品の日用品もたくさん出て来た。

フライパンや鍋、包丁などの使えそうな物は持ち帰り、食器類はリサイクルショップに持って行く。

売値は微々たるものだが、捨てるよりはましだ。

 

亡き父の職業柄家には本もたくさんあったのだが、Aちゃんはダンボールに詰めてどんどん運んでくれた。

 

完全に廃棄する物は透明の袋に入れ、布団などの大きな物はそのまま車で20分程の場所にある市のゴミ処理場に運ぶと10キロ200円で処分してもらえる。

 

長男と2人で車に乗せてせっせと運んだ。

 

私は孫たちを連れ出して公園に行ったり、押し入れから出て来た古いおもちゃで遊んだりして過ごす。

 

古い冷蔵庫に入っていた真っ黒な瓶詰めもどんどん開けて中身を出し、分別も完璧だ。

 

みるみるうちに各部屋の見えなかった床が見えて来た。

 

続きます。