Aちゃんパートに出る
四月、長い冬が過ぎ雪が溶けふたたび実家の片付けが始まった。
はずだった。
だが頼みの綱のAちゃんがパートを始めてしまった。
働き者のAちゃんは少しでも時間が出来たら働きたいと望んでいたのだ。
下の子が幼稚園の年少さんになったので、ようやく願い通り働くことになった。
もちろん私も応援した。
そんな訳で以前よりペースは遅くなったが、実家の片付けは少しずつ進んでいった。
全ての部屋の床が見えるところまでは辿り着いたのだが、押し入れ、ロッカー、納戸、外物置、片付ける場所はまだまだあった。
庭の手入れも怠るとどんどん植物は成長して、塀からはみ出してしまうので、枝切りバサミを手にがんばった。
8月になり母が亡くなった。
肺の病気が少しずつ進んでいたとはいえ、まだまだ長生き出来そうだと思っていたのだが、あっけなく天国へ旅立ってしまった。
続きます。